



上記画像が正常に見られない方用↓
【国立長寿研究センターが発表した認知症の発症リスクに関するデータ】
13年間にわたる「認知症になりやすい人」の分析結果、脳卒中や糖尿病の人など8つの危険要因が判明しましたが、その一つ「握力が弱い人」も要注意。
男性では握力が26キロ未満、女性では握力が18キロ未満の人は、そうではない人と比較すると認知症の発症リスクが 2.1倍も高かったとのこと。高齢者の体力を評価する上で重要な要素は「歩行機能 (歩く速度)」「平衡性」そして「握力」です。この3点を測定すれば、体力水準がわかると いわれていますが、 専門家が特に重視しているのが「歩行機能 (歩く速度)」と「握力」だそう。特に「握力」の低さは、認知症や寿命の長さとの関連性が示唆されています。
【認知症高齢者の転倒予防のリハビリ】
認知症の高齢者の方は転倒する確率が高いことが知られています。認知症の方は体を鍛えるだけでなく、転倒予防対策が必要です。
【高齢者の認知症の症状】
《中核症状》
■見当識障害:居場所が分からない、現在の状況が理解できない。
■ 理解判断力の障害:自身の身体能力を過信したり、危険を判断できない、気が散って歩行に注意を払えないなどが代表的な症状です。
■実行機能障害:指示に従わず、一人で危険なとこへ行ってしまったり、雨や雪などの環境の変化に応じた行動ができなかったり、 歩行補助具や車いすを適切に使いこなせないなどの症状があります。
《行動の変化〜行動症状〜》
■徘徊:歩きまわり、疲労が増大し、歩行能力が低下していることが多いです。他人から見ると意味なく歩き回っているように見えますが、 本人の中では「物を探している」「家に帰ろうとしている(現住所ではなく、昔住んでいた家、職場など)」など合理的な行動であることも少なくない。
■帰宅欲求:本人が思う 「家」 (過去に住んでいた家など) に帰ろうと長距離を歩いたりするようになります。頻回に見られる症状です。
■暴言・暴力:意志疎通が上手くできなくなると、力で何とかしようとして暴力的になることがあります。
■昼夜逆転:時間の理解が低下し、昼夜が逆転することも多いです。夜間、暗い廊下を歩いたり、日中寝不足で体調がすぐれない中で歩行するので、転倒しやすくなります。
■失禁:トイレへ急いで行こうとしたり、何度もトイレへ行くため、転倒リスクは高まります。
《心の変化〜心理症状〜》
■不安:何度も同じ動作を繰り返したり、同じ場所に行こうとされることがあります。
■焦燥感:焦燥感により、興奮して衝動的な行動を取ることがあります。
■その他:抑うつ、幻覚、妄想
【認知症高齢者の転倒予防対策】
《 "環境設定”が一番大切》
手すりを設置する、段差解消など、注意が逸れていてもつまづかない、体力が劣っていても転倒しない工夫をすることが大切です。
移動する範囲の床に物を置かない、絨毯を撤去するなど細心の注意で環境 設定を行いましょう。
スリッパも履かず、置かない様にしましょう。
■車いすのブレーキ、手すりを目立たせる
車椅子のブレーキレバーや手すりに赤いテープを巻いたりして目立たせることで自然に支持物を掴むように誘導して下さい。
■転んでも怪我しにくい環境調整
リハビリでの認知症の方の転倒予防の練習
《転倒予防の練習》
転倒に関係する因子は筋力だけではありませんが、バランス練習や動作練習を複合的に行っていくことで、より転倒しにくい体にすることができます。
■ "独歩”での歩行練習
■二重課題(Dual Task)
歩行しながら紙コップに水を入れてこぼさない様に歩いたり、計算をしながら歩く練習をします。
認知症の方が転倒するのは、注意が自身の体から逸れた場合に多い。
認知症の患者さんは、歩きながら会話をしたりするのが苦手で、歩行中に話しかけると歩行が止まってしまうことが多いです。
二重課題はDual Taskとも言われ、転倒予防のバランス訓練として有効とされています。
転倒予防のためのバランス練習の基本は、「その人の生活に必要な動作を繰り返し練習」することです。
■移乗動作練習
【二重課題(Dual Task)】
転倒予防のバランス訓練として有効とされています。
二重課題には運動課題、認知課題
歩行中に話しかけられると立ち止まってしまう高齢者は、6か月以内に転倒する可能性がある。
要支援者はデュアルタスク能力が重要、 要介護者はデュアルタスク能力以外のバランス能力が重要と表現できる。
デュアルタスクトレーニングの最たる対象者は 「足腰は元気だが、 認知機能の衰えを感じてきた人達」
もっと単純で難易度の低い二重課題トレーニングは無いかと聞かれるならば、「貧乏ゆすり (ジグリング)をしながらの語想起」をおススメする。
この方法は貧乏ゆすりとして「つま先を床につけたまま踵を浮かせるように上下に小刻みにガタガタと震わせる」という運動課題と、「語想起として野菜・料理・動物の種類などの思い出しながら答えてもらう」という認 知課題を同時にこなすトレーニングとなる。
貧乏ゆすりも立派な「運動課題」であり、更には貧乏ゆすり (ジグリング)が脳に血液を送るポンプの働きがあることが分かっており、脳の活性化にもつながる。また、下肢の関節障害を有している人は、ジグリングによる振動刺激によって以下が起こったりする可能性もある。
触圧覚刺激によるゲートコントロールの作動
関節周囲筋のリラクゼーション (特に股関節周囲)
滑液循環促進 (特に股関節)
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